2019.01.06 08:24シャーロック・ホームズの紹介(13)ホームズのダンディズム-服装とお洒落感覚 山田勝著『孤高のダンディズム・シャロック・ホームズの世紀末』(1993)によれば、ホームズのお洒落感覚はなかなかなものだと言っておられます。ホームズの服装や振る舞いは洗練され、 おしゃれや伊達(だて)に徹する態度をもっていた男であると同氏は指摘されています。いわゆるダンディまたはダンディズムは、19世紀初頭イギリスの青年たちの間に流行したもので、その影響は...
2018.11.12 10:10シャーロック・ホームズの紹介(12)ホームズの外見と顔の特徴 シャーロック・ホームズの外見と顔については、多くの作品のなかで触れられています。代表的な描写を原文で見てみましょう。まず、痩せて、背の高い人物であることが描かれています。His very person and appearance were such as to strike the attention of the most casual observer. In he...
2018.10.08 07:59シャーロック・ホームズの紹介(11)ホームズの知識と能力 相棒のワトソンによれば、ホームズの知識には偏りがあると言います。また運動と楽器の演奏能力はあるそうです。ワトソン作成の「ホームズの知識および能力の一覧」をここでご紹介しましょう。原文はこうなっています。Sherlock Holmes - his limits 1 Knowledge of Literature : Nil 2 Knowledge of Phi...
2018.08.25 12:53シャーロック・ホームズの紹介(10)ホームズの生涯と事件 シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)は世界で最初の諮問探偵(Consulting Detective)です。彼は田舎の大地主の子孫であり、フランスの画家ヴェルネの孫にあたるそうです。しかし、何時生まれたかは分からず、また父と母は不明です。また彼が亡くなったという話も聞きません。今も元気に生きているそうです。‘My ancestors were comple...
2018.08.25 12:53シャーロック・ホームズの紹介(9) 筆者は昨年の暮れに大病をして半年ほど「英語で読むシャーロックホームズ(読書会)」とこのブログを休ませてもらいました。元気になりましたので、このブログを再開します。 I moved my head to look at the cabinet behind me. When I turned again Sherlock Holmes was standing smiling ...
2017.05.31 11:03シャーロック・ホームズの紹介(8)シャーロック・ホームズの名言についてホームズはいろいろな作品で名言を吐いています。ここでは推理に関する名言を英語で紹介します。次の3つの英文は、表現は違いますが、よく似ているところもあります。意味は①~③ともほぼ同じ意味です。①の英文を訳すると、「私の公理の一つなのだが、不可能なものを除いた時、残った物がいかにあり得そうもないものであっても、それが真実である」となります。①"It is an ol...
2017.04.18 08:26シャーロック・ホームズの紹介(7)Baker Street 221Bホームズの住まいであり仕事場であるベイカー街221Bは辛抱強い女家主のハドソン夫人から借りた部屋です。建物の2階と3階にある続き部屋で、2階の居間からは通りを見渡すことができ、奥には寝室があります。依頼人が221Bを訪ねる様子は2階の居間からよく見えて、ホームズは依頼人の歩き方、馬車、ドアのノックの仕方、階段を上がってくる足音などから、依頼人の心配度、不安度、さら...
2017.04.01 08:19シャーロック・ホームズの紹介(6)作者のコナン・ドイルについてシャーロック・ホームズの作者であるコナン・ドイルという人は医師でした。当時、開業をしたものの患者は少なく、余った時間を暇つぶしに短編小説を書いていました。それがホームズを生むことになりました。ドイルは雄大な本格的な長編歴史小説を書くことを願望していて、ホームズ作品は片手間の生活費稼ぎでした。歴史小説は評価されずに、後世になってシャーロック・ホームズが有名になりました。第...
2017.03.19 08:29シャーロック・ホームズの紹介(5)スキンダラスな世紀末のイギリス社会を映すホームズ作品前回はホームズに相談する依頼人についてお話しましたが、依頼人の相談内容の多くは、いかにしてスキャンダルをもみ消すかというものでした。世紀末のイギリスは愛欲、金銭欲、名誉欲などが渦巻く社会でした。一度でスキャンダルで依頼人の地位や名誉は崩壊してしまいます。ホームズの仕事は彼らをスキャンダルから守ることにあったのですが、このことはいかにこの時代、地位...
2017.03.05 06:35シャーロック・ホームズの紹介(4)ホームズを訪ねる依頼人について短編・長編を合わせて60作品には単純に言って60人の依頼人がホームズに事件解決の相談を請います。依頼人について言えば、男女、年齢、身分、職業、出身地などばらばらです。作品の中では依頼人の身体的特徴、顔の表情、服装、言葉遣い、仕草などが丁寧に記述され、依頼人の様子が生き生きと描かれています。これもホームズ作品を読む一つの楽しみです。依頼人に視点を置いて読むと、また違った...
2017.02.25 07:49シャーロック・ホームズの紹介(3)シャーロック・ホームズ探偵物語では友人であるワトソン博士が登場します。ホームズの事件解決の助けとその記録はこのワトソンがやっています。彼は医者でありながら、ホームズ事件に興味を持ち、ホームズの依頼があれば、医者の仕事を置いて彼とともに行動します。ホームズに比較すると、凡庸にも思えますが、実際平均以上の知性の持ち主であり、性格は温厚で、また常識の持ち主です。ホームズの叡智の前ではくすんだような存在で...
2017.02.18 05:35シャーロック・ホームズの紹介(2)ホームズの魅力は、何といっても彼の持つ観察力と推理力でしょう。理論家らしく万物をあるがままに精緻に観察し、一見何でもない情報から隠された真実を探り当てます。これこそホームズの真価でしよう。